COLUMN 02

口コミへの答えを自社サイトに置く:残業・女性の働きやすさ・将来性を数字で書く採用FAQ

・ナギサコーポレーション(運営)

この記事の答え

  • 見出しは求職者の問いの形。1文目で数字と時点を答え、理由と取り組みはそのあとに書く
  • 女性管理職の比率や男女の賃金の差は、規模によって公表が法律で決まっている。その数字を採用ページにも出す
  • FAQのリッチリザルトは2026年5月に終わった。検索の見た目ではなく、画面に書く中身が本体

口コミへの答えは、採用ページの「よくある質問⁠」⁠に置くのがいちばん確かです。見出しは求職者が検索窓に打つ問いの形にして、最初の1文で数字と時点を答えます。理由や取り組みは、その後ろに書きます。

AIの概要が口コミを材料にするのは、自社サイトに答えが無いときです。社名で検索するとAIの概要に悪い口コミが出る理由⁠で書いたとおり、まず引用元を記録し、口コミを「今も本当」「古い・一部だけ」「事実と違う⁠」⁠に分けてから、この記事の書き方に進みます。

答えの形は「数字+時点」から始める

読む人が知りたいのは、会社の気持ちより事実です。同じ内容でも、書き方で伝わり方が変わります。

書き方 例 伝わり方
気持ちだけ 残業を減らすよう全社で取り組んでいます どの会社も書ける。確かめようがない
数字だけ 月平均の残業は12時間です いつの数字か分からない
数字+時点+取り組み 2025年度の月平均の残業は12時間でした。2023年度は21時間で、受注の締め日をずらしてから減っています 確かめられる。口コミとの違いも分かる

上の数字は書き方を示すための例です。自社の数字に置き換えて使います。

AIの概要が引用しやすいのも、3つ目の形だと私たちは考えています。問いに対する答えが1文目にあり、数字と時点がそろっていれば、要約されても意味が崩れにくいからです。

残業は「実績⁠」⁠と「固定残業代の決まり⁠」⁠を分けて書く

残業についての口コミは、2つ⁠の話が混ざっていることがあります。実際にどれだけ残業があるかと、固定残業代の仕組みが分かりにくいことです。答えも分けて書きます。

実績には、前年度の月平均の残業時間を使います。新卒を募集している会社なら、応募者から求められたときに職場の情報を出す義務があり、その選択肢の1つが「直近の事業年度の月平均の所定外労働時間」です(⁠青少年の雇用の促進等に関する法律第13条と同施行規則⁠)⁠。すでに数えている数字なら、採用ページにも出せます。

固定残業代を採っている会社は、求人票に3つを書くことが求められています。固定残業代を除いた基本給の額、固定残業代に当たる時間数と金額などの計算方法、そしてその時間を超えた時間外・休日・深夜の労働には割増賃金を追加で払うことです(厚生労働省のリーフレット)⁠。

「固定残業の時間を超えて残業させられる」という口コミには、この3つ目が答えになります。

Q. 固定残業代の時間を超えて働いた分は、支払われますか? A. 支払います。月20時間分の固定残業代を超えた時間外・休日・深夜の労働には、割増賃金を追加で支払っています。2025年度に固定残業の時間を超えた月があった社員は〇人で、全員に超過分を支払いました。

支払われていないなら、書く前に直す

超えた分が実際に支払われていない場合、これは発信で答える話ではありません。先に労務の扱いを直します。今も本当のことを否定する文章は、口コミと見比べられたときに会社の信用を大きく落とします。

女性の働きやすさは、法律で出す数字をそのまま使う

「女性は働きにくい」という口コミには、感想ではなく数字で答えます。ここは、規模によっては公表が法律で決まっている数字があります。

厚生労働省の女性活躍推進法の改正についての資料によると、2026年4月1日から、常時雇用する労働者が101人以上の会社は、男女の賃金の差と女性管理職の比率を公表することが義務になりました。それまで賃金の差の公表は301人以上の会社だけの義務で、100人以下の会社は努力義務です。公表の場には、厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース⁠」⁠が最も適切で、自社のホームページへの掲載でも差し支えない、とされています。

育休については、育児・介護休業法の資料⁠によると、男性の育児休業等の取得状況を年1回公表する義務が、2025年4月1日から従業員300人超の会社にも広がりました(それまでは1,000人超⁠)⁠。

この数字を、データベースに出すだけで終わらせず、採用ページのよくある質問にも書きます。

Q. 女性の管理職はいますか? A. 2025年度末の時点で、管理職18人のうち女性は3人(⁠16.7%)です。2022年度末は1人でした。男女の賃金の差を含む数字は、厚生労働省の女性の活躍推進企業データベースでも公表しています。

こちらも数字は書き方の例です。少ない数字でも、増えているなら推移を書きます。データベースへのリンクを添えると、会社の言い分ではない裏付けにもなります。

育休と復帰は「前例」を書く

長く働けるかを気にする人が知りたいのは、制度の有無より、実際に取って戻ってきた人がいるかです。取得率に加えて、復帰した人数を書きます。本人の了解が取れるなら、短いインタビューを添えると、数字だけより伝わります。

Q. 育休を取って戻ってきた人はいますか? A. 2023〜2025年度に育休を取った社員は男性4人・女性3人で、7人全員が復帰しています。

離職と将来性は、言える範囲を決めて書く

離職については、新卒の採用者数と離職者数(直近3年度)も、新卒募集のときに求められれば出す職場情報の選択肢に入っています。出せる会社は、その数字で答えます。

将来性への不安には、予想ではなく、すでに決まっていることで答えます。中期の事業計画の要点、決まった設備投資、始めた新しい事業などです。「業績は伸び続けます」のような約束は書きません。

口コミ 自社サイトに書くこと
将来性に不安を感じる 決まっている計画と投資。いつ、何に、どの規模で
人がすぐ辞める 新卒の採用者数と離職者数(直近3年度⁠)⁠、平均の勤続年数
出る杭は打たれる 若手の提案から変わったことの実例。時期と中身

いちばん下の行のような、雰囲気についての口コミは、数字では答えにくいものです。実例を1つ、時期と中身を添えて書くのが、私たちの知る限りいちばん伝わります。

構造化データには頼らない

よくある質問のページには、以前は FAQPage という構造化データを付けて、検索結果に質問と答えを折りたたんで出すことができました。Googleは2023年8月に、この表示を政府と医療の有名で信頼できるサイトだけに絞ると発表し、Googleの更新履歴によると、2026年5月7日からはすべてのサイトで表示されなくなりました。

だから、検索結果の見た目を目当てに構造化データを足す必要はありません。画面に質問と答えをはっきり書くことが本体です。AIの概要について、GoogleはAI機能とウェブサイトについてのページで、出るために特別な最適化は要らないと書いています。

書いたら、口コミへの回答の根拠にする

採用ページに数字が載ったら、口コミに会社として回答するときに、そのページを根拠として示せます。「残業は減っています⁠」⁠とだけ返すより、「⁠2025年度の月平均は12時間でした(採用ページに掲載⁠)」⁠と返すほうが、読んだ人にも確かめようがあります。この組み合わせ方は口コミへの回答だけで評判対策は足りるか⁠で説明しています。

よくある質問

採用ページのよくある質問には、何を書けばいいですか?

社名で検索されている言葉に合わせて、残業、休み、女性の働きやすさ、育休、離職、将来性について、数字と時点で答えます。たとえば「⁠2025年度の月平均の残業は〇時間でした」のように、最初の1文で答えを言い切ります。

数字が良くない場合も書くべきですか?

書いたほうが信用されます。口コミで残業が多いと言われているのに数字を伏せると、伏せたこと自体が答えに見えます。今の数字と、いつまでに何を変えるかを一緒に書きます。

よくある質問に構造化データ(FAQPage⁠)⁠を付ければ、検索結果に表示されますか?

表示されません。Googleは2023年8月にFAQのリッチリザルトを政府と医療の一部のサイトに絞り、2026年5月7日からはすべてのサイトで表示しなくなりました。画面に質問と答えを書くこと自体が、読む人とAIへの答えになります。

口コミで言われていることに、自社サイトで数字を使って答えられるようにしたい。

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